日本の国産OSにトロンというものがある。OSとはWindowxとかLinuxとかいうもののことだ。現在のOSの勢力図はWindowxやLinux、そしてBSD系が多くを占めている。アメリカではそれが特に顕著で、電機メーカーは、Windowx、Linuxを組み込んだ製品を開発していて、トロンの参入は難しいといったのが現状である。
今回、エクスプレス・ロジック(eL)がトロンを組み込んだOSを売り出した。トロンはプログラムの内容が無償で公開されている上、組み込まれた製品が売れた数に応じて開発者に支払うロイヤルティーがいらない、という特徴がある。
トロンは1980年代に登場した。当時はアメリカの圧力によってなかなか普及しなかった。しかし、家庭で使う電気製品に小さなコンピュータを組み込む「情報家電時代」を迎えて状況は変わった。この分野では電器メーカーが独自のOSを搭載していることが多く、コスト削減のためトロンに移行するメーカーも多い。小型の半導体チップに搭載できるため、携帯電話、自動車のエンジン制御、パソコンの周辺機器などに採用されていった。
トロンは、日本での使用率は8割に達するという推計もある。トロンは日本国内では家電製品などの内部に組み込むOSの事実上の標準規格となっているようだ。これから、トロンが世界に広まっていくと良い。